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多感覚知覚の興味深い現象から、マスク着用の影響まで
コミュニケーションのしくみを心理学的に解明!
私たち人間のコミュニケーションは、感覚器官をフル活用した高度な営みである。
視覚・聴覚・触覚などの感覚はそれぞれが単独で機能しているだけではなく、それらの間にはさまざまな相互作用も生じていることは明らかである。
例えば、地下鉄のホームなどの騒がしい場所で会話をするとき、つい相手の口元の動きも注視していることはないだろうか。これは、聞こえにくい相手の声を視覚から得た情報で補おうとしているのである。
つまり、私たちはこのとき、「声を見て」いるのだ。
本書では、そのような感覚を超えたダイナミックな五感の働きを「多感覚コミュニケーション」と位置づけ、それを支える多感覚知覚のしくみや、多感覚知覚を土台としたコミュニケーションに関する心理学的研究を多数紹介する。多くの方に興味をもっていただくために、脳、発達・文化・進化、ロボットvs. 人間、視覚・聴覚・触覚の比較といった多面的な視点からアプローチすることを心がけた。
さらには、コロナ禍で日常化したマスク着用とオンライン上でのコミュニケーションに着目し、それらによって生じる五感のバランスの変化、それらがもたらしうる問題点についても言及する。
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