〈岩頸〉表象の検証と精神医学的接近
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空の桔梗のうすあかりには、/山どもがのっきのっきと黒く立つ。/大学士は寝たまゝそれを眺め、/又ひとりごとを言ひ出した。/「ははあ、あいつらは岩頸だな。岩頸だ、岩頸だ。相違ない。」(童話「楢ノ木大学士の野宿」より)
文学研究者の立場から宮沢賢治文学の地学的側面を追究した前著『宮沢賢治文学における地学的想像力――〈心象〉と〈現実〉の谷をわたる』(2011年刊)以後の著者の賢治研究の到達点。初期短歌から童話、晩年の文語詩に至る賢治の文学的営為と、火山が生み出す特異な地形〈岩頸〉(がんけい)の交響について、岩手の山と川の丹念な実地踏査に精神医学的視点からの共同研究の成果を加え考察する。賢治の得ていた地学的知見や、地質調査に従事した際の体験と作品生成の関係を検証する論考他併録。岩手の山々、採取岩石のカラー写真多数。
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