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わたくしをすべてひろげて丁寧に折りなほす青い鶴となるまで
『リリカル・アンドロイド』に続く第七歌集。
日常の中に隠されているきらりきらりと輝くひかりを、そっと集めては両手で包み込んで微笑んでいる姿が目に浮かぶよう。なんでもない一日こそがきっといつか大切な日になる、荻原さんの歌にはそんな日々が詰まっています。
―熊谷由佳(丸善ヒルズウォーク 徳重店 名古屋市)
荻原裕幸との出会いは『青年霊歌』発表、ニューウェーブ前夜と記憶は朧。その時の新星は本作では見事に輝度を放ち、オールドスクール的存在は次世代をも鼓舞する。私はモートン・フェルドマンBGMに読み確信。
―古田一晴(ちくさ正文館書店 名古屋市)
【収録歌より】
三十三間堂あらたまのああこれは市川春子の線だとおもふ
元は天使なのかも知れぬ亡き父の冬天だけを撮つたアルバム
暁美ほむらが眼鏡をやめた経緯ほど寂しくもなく咲く桐の花
ボールペンが落ちても鞄をひらいてもすべての音が十月である
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