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ハイウェーを跨ぐ夕虹石鎚の山より生えて瀬戸へと落つる
ひとつ影曳きて汀を行くひとの二人となって駆けいだしたり
海と山が穏やかに広がる阿波の地で、母の死を見つめた日々を歌う。
〈膨らんでゆく月の闇 死と生はいずれ一つの円環のなか〉
だがそれでも、生の側の静かな明るさを、橋本成子はやわらかな言葉で紡いでゆく。風土の優しさに救われることも多かったのではないか。
しばしば意外性のある新鮮な発想が含まれていることも見逃せない。日常の風景を丁寧に観察することで、平明でありつつも驚きのある表現が生まれてくるのである。・・・吉川宏志「帯」より
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