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橋下徹、河村たかし、小泉純一郎……
かれらポピュリストを、なぜ人びとは支持するのか?
21世紀初頭の日本に出現したポピュリスト政治家たち。かれらはなぜ、そしてどのような人びとに支持されているのか? 橋下徹、河村たかし、小泉純一郎のいくつかの選挙における有権者への意識調査の実証データをもとに、日本のポピュリズムの独自性を明らかにする。
【「はじめに」より】
私たちの敵は政治のエリートであり、既得権益層である。その腐敗し、停滞した政治を打破できるのは、この私である――そのようなアピールのもと、既存の政治を一掃するかのような勢いで人々の期待を集め選挙に勝利する。橋下徹(元大阪府知事・市長)や小泉純一郎(元首相)ら、いわゆるポピュリスト政治家のイメージはそんなところではないか。
こうしたポピュリスト政治家の力の源泉は、いうまでもなく有権者一人一人の支持の積み重ねである。しかし、その支持層は多くの場合捉えがたい。ポピュリスト政治家が颯爽と登場し、なぜかしらそこに支持が集まっていく。それまでは他の政党を支持していた人、ふだんは政治にも選挙にも関心がなかった人が、ポピュリスト支持層となり、ポピュリズム現象として顕在化する。
ポピュリスト政治家に対する支持は、既存の政党支持構造にまったく制約されないかのごとく広がった。だからこそ、私たちはそのことに驚き、多くの関心を寄せてきた。仮に、その支持がほんの少数にとどまったならば、一風変わった政治家として一時の記憶に残るだけであっただろう。
では、21世紀初頭の日本に現れたポピュリスト政治家を支持したのは、どのような人々だったのだろうか。誰がなぜ、彼らを支持し、彼らに投票したのだろうか。本書の目的は、有権者を対象に行った複数の質問紙調査を分析し、この問いを明らかにすることである。先に述べたように、ポピュリスト政治家の力の源泉は、ただ有権者の支持のみにある。ならば、その支持のしくみを理解することが、この現象の理解をより促すことになるだろう。
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