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1953(昭和28)年生まれの著者は、1972(昭和47)年に創設された自治医科大学に1973年に入学した第2期生。地域医療への貢献を使命とする自治医科大学には日本全国から優秀な若者たちが集い、卒業後それぞれの地元に帰って公立病院などで勤務していますが、著者もそうした例にもれず、出身地徳島に戻って町立病院の外科医長として粉骨砕身働きます。しかし、その使命からすれば当然のことですが、都会地を離れた地域で働く医師は、医療全般に通じていることが期待され、内科から外科、小児科、婦人科等々までカバーする総合診療医的な仕事にならざるをえません。そうした状況に飽き足らず、一度は外科の専門医として誇れる自分でありたい、と願った著者は、30代半ばにして、母校が埼玉県大宮市(現・さいたま市)に創設した第2病院に国内留学、本格的な消化器外科専門医としての道を歩み始めます。本書はそうした著者の、医師を志すに至った少・青年期の想い出から、自治医科大学で受けた教育、恩師や友人たちとの交流、医療現場におけるほろ苦い失敗や心温まる出会いまで、医師として歩む中で得たさまざまな経験を、時にユーモラスに、時に心を込めて書き綴ったものです。読者は、外科医というのはこうした修業をし、こうした経験を重ね、日々こうしたことを考えているという、普段なかなか垣間見られない「白衣の内側」の姿を見つけ出すことでしょう。だからこそ著者は言います、「医療の門外漢にこそ読んでほしい。そして、全国の医師を目指す若者や医学生、若手の医師らにもよんでほしい」と。これは「医師の本音」に接することができる貴重な本です。
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