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ロシアのウクライナ侵攻、中国の「一帯一路」政策の動きは、「帝国シンドローム(症候群)」とも見ることができる。ロシア帝国の復興を目ざすプーチン、中華文明の復興を目ざす習近平が、軍事をからめて勢力を拡大しようとしているのである。
ロシアも中国もユーラシアの大国であるが、中央ユーラシアの戦略的重要性に着目し、その地域を「ハートランド(心臓部)」と命名したのが、後に地政学の祖といわれるハルフォード・マッキンダーである。マッキンダーは、「世界はイデオロギーで変わるのではなく、(食糧などの)諸資源の偏りと、戦略的要地の偏在により、資源と要地、その奪い合いで変遷した」と指摘している。その考えは今でも有用であると著者は捉える。
本書は、中ロの国家戦略を、「中央ユーラシア(ハートランド)」と「帝国シンドローム」を軸に世界史と地政学で解き明かす。地図や写真が多く、初心者でも興味をもって読み進めることができる。
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