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無着成恭「山びこ学校」に学び、その精神を受け継ぎつつ評論家・作家として活動する著者は、2018年、農業や食品をテーマとするエディター・ジャーナリスト・研究者であった娘・亮子を癌で失う。本書は先だった娘への痛哭のオマージュである。「オレはまもなく米寿をむかえる親父だが、お前を眠らせてなどおけない。お前といっしょに生きる。お前といっしょにまだまだしなければいけないことがある。だからお前は眠ってはいけない。生きていろ。眠ってしまっても生きていろ。生きているのだ」(「亮子よ起きろ」)。結びのエッセイは最後の勤務先であった愛媛大学(地域創生研究センター准教授)に残された本2000冊について語られる。大事に保管され、分類作業が行われたことを知って、著者は末尾にこう記す、「〈まちが文化をつくるのではなくて文化がまちをつくるのだ〉といわれた、その精神にうなずかされている。そして、お前が残した本がその一翼になればと願うのだ。そしてそれがお前の命をより価値あるものにするだろう、と考えている」(「〈亮子文庫〉を」)。
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「やまびこ学校」の佐藤藤三郎が、米寿を迎えようかというときに亡くした娘を追想する痛哭のオマージュ。
社長秘書、ジャーナリスト、雑誌編集者……行きつ戻りつしながら、娘・亮子は「地域創生」の研究者になる。学生たちとともに消費者と生産者を結び、安全な食と農業の行く末を考え、実践する。
彼女の胸には、父や母、祖父母たちが奥深い山間地に暮らしを営んできた愛惜がある。一途に日本の農家と農業を救う道を求めた。
道半ばで逝かなければならなかった無念が、いま、父・藤三郎を撃つ。「亮子は死んでも生きている」と。
〈帯文〉
迷路を抜けて娘が選んだのは「地域創生」「消滅集落」化する故郷を思い農業ひとすじの父に明るい光を、と─
先立った娘への痛哭のオマージュ
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