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来歴不明の詩的閃光
秋日に水星沈む糸引いて
本文秋のまま註に雪降るらし
蓮沼を自転車で立ち去る悪魔かな
大空を凍れる海鼠渡りけり
春の夜は巷も星の猫狩りよ!
「天沢退二郎なる稀代のホモ・フマニスタスの、意外なほど天真爛漫な子供の魂が眩しいほどだ」(高橋睦郎)。「五七五定型への詩性の横紙破りがアクシデントのように絶景を成してしまう」(関悦史)。「わたくしたちの過ごした時間の輝かしさが、寂しさの亀裂の光とともに立ち上がってくる」(吉増剛造)。20年にわたって同人誌「蜻蛉句帳」に書き継がれた、全1200余の句を集成。装幀・装画=マリ林
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