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紛争下の旧ユーゴスラビア。NATOによる激しい空爆、戦火の中の人びとの日常、文学、希望……。戦争の実際を詩人が描く。解説 池澤夏樹戦争を生きる人々の声を聞く。空爆下の旧ユーゴスラビアに留まり、詩人が記した戦火のなかの暮らし、子どもたちのいる情景。今、世界にはたくさんの暴力と少しの希望がある。この本を読んでぼくは、希望に賭けようと思った。 ――池澤夏樹「最初は、死者が名前で知らされる。それから数になる。最後には数もわからなくなる……」。旧ユーゴスラビア、ベオグラード。戦争がはじまり、家、街、友人、仕事……人々はあらゆるものを失っていく。そして、不条理な制裁と、NATOによる空爆がはじまった。日本への帰国を拒み空爆下の街に留まった詩人が、戦火のなかの暮らし、文学、希望を描くエッセイ集。解説 池澤夏樹【目次】緑の水、音楽 Ⅰ カラタチの花、トランク 小さな自叙伝/写真のないアルバム Ⅱ こどもの樅の木 昼下がりのバスストップ/燃え上がる炎/投獄された人々/黒い花 Ⅲ 光る朝の雪 見えない戦争/わたしの国の物語Ⅳ ひなぎくの花 向日葵の女の子/麦畑の娘たち/水の情景/野原、馬 Ⅴ 鳥のために 境界の文学/橋をめぐるものたち/デサンカさんのこと Ⅵ あどけない話 花冷え、空襲警報/宇宙と、声と、沈黙と──ベオグラードは生きている/小さな声、かすかな音/歌、私たちが光を呼びもどすとき/一九九九年、春/隠された声たち──人間らしい人間のために/バスの伝説 Ⅶ 泳ぐ花嫁 本という贈り物/そして島は漂いはじめた──映画「アンダーグラウンド」/おわり、或いは、あたらしいはじまり 文庫版『そこから青い闇がささやき』によせて 解説 池澤夏樹
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