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「死んだ人のことはちゃんと可哀想にしてあげなきゃ駄目でしょう。」
一度読んだら引き返せない、怪異が侵食する恐怖のネット怪談。
雨穴氏(『変な家』著) 推薦!!
インターネット上に伝わる多くの怪談。
その中に何故か特定の「あの子」が被害にあう奇妙な怪談が出回っていた。
とある掲示板のQRコード、インタビューの書き起こし、出典不明な心霊写真、匿名のメールデータ。
筆者がこれまでに収集した情報をもとに怪談を読み解く、読者参加型のホラーモキュメンタリー。
一見バラバラに見える情報から、浮かび上がってくる「ネット怪談の裏側の物語」とは。
【雨穴氏コメント】
この本を読み終えたあと、まったく読み終えた気がしませんでした。
かつてその場に自分が居合わせたのではないかと錯覚するほどリアルで気味の悪い映像が
文章を通じて、目の数センチ先に突き付けられるような不快感。
確実に何かが繋がっているのに、完全には説明されないもやもや。
まるで奇書を読んでいる気分でした。
ただ同時に、この感覚に懐かしさを覚えました。
ある時点で気づきました。子供の頃に、インターネットを見ていたときの気分と同じなのです。
閉鎖的で、情報が少なくて、画像と文字と粗末な動画しかなかった昔のインターネット。
私は、個人の書き込んだ体験談や創作、とりとめのない雑談などを読み漁っていました。
それらは、書き手の呼吸が聞こえそうなほど身近に感じられ、しかし、書かれている以上のことは何も分からない。
それ以上を知ろうとすれば、ディスプレイの向こう側を想像するしかない。この本の読み心地は、まさにそれに近いものがありました。
「ネットを読み終える」などということが不可能なように、きっとこの本を読み終えることは、一生できないのでしょう。
私は近いうちにまた、読み返そうと思います。そして、想像します。
この本が日本全国に出回れば、手に取った人の数だけ想像が生まれるでしょう。
そして『あの子』は……。
――「もうやり直せないよ 残念でした」
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