脳神経外科ーNEUROLOGICAL SURGERYー Vol.50 No.4(4 2022)

特集:STAーMCAバイパス術 日本が世界に誇る技を学ぶ

脳神経外科ーNEUROLOGICAL SURGERYー

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出版社
医学書院
著者名
森岡基浩
価格
6,380円(本体5,800円+税)
発行年月
2022年7月
判型
A4
ISBN
9784260044899

浅側頭動脈(STA)-中大脳動脈(MCA)バイパス術は、脳神経外科にとって基本的な手術手技の1つです。そして、それは単に脳虚血性疾患に対する治療のみならず、脳腫瘍手術や一般脳神経外科手術の不慮の事態に対する緊急処置としても必要な手技です。また、この手術手技をきちんと習得することにより脳循環に対する理解を得ることができ、さらに難易度の高いバイパス術に向かうために必要なステップにもなりますので、本来は脳神経外科手術の術者となる者全員が経験し、習得しておくべきものであると言っても過言ではありません。しかしながら、世界的にはこの手術に対する効果が否定的となり、適応が狭められていることから術者が減少しているのが現状です。一方で日本においては、世界的なランダム化比較試験で手術成果に否定的な結果が報告されているにもかかわらず、多くの脳神経外科医がその安全性と効果を実感しています。このように、本手術の日本の成績は誇るべきものと思いながら、それを世界に発信することがまだできていないのが現状ではありますが、将来のためには私たちはこの手術を守り、伝えていく必要があります。本特集では、一般的なSTA-MCAバイパス術に絞り、この手術を継承していく後期研修医や若手脳神経外科医の方々を対象に、本手術の評価の歴史とそのデータの解釈、「グローカル」な視点での国内論文の紹介などもしていただき、その手術成績や世界と日本との違いをわかりやすく解説していただきました。さらに、日本全国のさまざまな手術方法のバリエーションや、さらなる高みを目指すための手術の工夫などについても、プロフェッショナルの術者から紹介していただきました。なお、もやもや病についてはその病態などの詳細は割愛し、今回は手術方法とそれに関する問題点について、比較の意味も込めて取り上げさせていただきました。STA-MCAバイパス術を理解・習得するために、 次代を担うすべての脳神経外科医にぜひとも本特集をお読みいただきたく思います。そして、日本のレベルを維持し、世界にその成果を発信していただけましたら幸いです。(Editorialより)

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