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高橋陽介氏の最新刊である。高橋氏は在野研究者でありながら、織豊期研究会や東海古城研究会といった場を通じ独自の見解を発表してきた。氏の研究手法は、軍記物や編纂史料を廃し良質な史料のみを用いて再構築するという王道を行くものでありながら、その着眼点は極めて重要で、大学研究者も巻き込む論争となっている。
本書は、先著『天下分け目の関ヶ原合戦はなかった』(河出書房新社、乃至政彦氏と共著)、『秀吉は「家康政権」を遺言していた』(河出書房新社)を深化させたもので、特に五大老五奉行制度と、小早川秀秋による寝返りの様相を中心に見直しを図ったものである。いずれのテーマも関ヶ原研究においては避けて通れないものであり、一般読者のみならず、多くの研究者に刺激を与えるものであろう。
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