全世界で喘息を含むアレルギー疾患は毎年増加し続け、わが国の潜在的な喘息患者数は1,000万人との報告もあります。このような状況で日本喘息学会は科学的知見に基づく情報提供と適切な喘息治療の推進と非専門医の診療に役立つことを目標として、昨年『喘息診療実践ガイドライン2021』を作成しました。本書は困難な喘息診断を克服するために問診による診断を中心に据え、“Precision medicine”、“Treatable trait approach”の視点を採り入れた簡便なチェックリストやフローチャートなどで構成された前版の改訂版です。
2022年版では新たに生物学的製剤やトリプル製剤の知見や「ステップダウン」の具体的なフローが加えられ、また、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の解説が拡充され、ABPM(アレルギー性気管支肺真菌症)やEGPA(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)など合併症の解説が追加されました。さらに、喘息の側面として高齢者喘息や小児期から成人期への移行期医療、ウイルス感染症との関連などの知見が加えられています。豊富な図表と明快な解説により、非専門医をはじめ多くの医療者にとって、使いやすく日常診療の一助となる内容となっています。
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