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勝てないと分かっていた太平洋戦争を、なぜ日本は始めたのか。
80年前と同じことが、今ウクライナでも起きている。
敗戦から今日まで続く屈辱の日露外交を検証する。
―未完の戦争を追い続けるジャーナリストが、今こそ知らせたい戦争の真実―
誰でも間違いはする。為政者も間違える。しかも、庶民の想像力をはるかに超えたとんでもない間違いをする。そして間違いの影響は、間違った人物の権力の強さ、責任の重さに比例する。為政者の間違いのツケは間違った本人だけでなく、広く長く深く多くの人々に及ぶ。場合によっては永遠に清算されない。そのことを教えるのが戦争の歴史である。
21世紀の私たちは、その教訓を確認しているーー
(本書「はじめに」より)
【第1章】為政者は間違える~開戦決定まで
国家の「主権線」と「利益線」/「大東亜共栄圏」とは/自己中心的歴史観 ロシアと大日本帝国/ロシアのウクライナ侵攻と「核シェア」/仮想敵国アメリカに頼っていた石油 etc.
【第2章】大日本帝国の「終戦構想」
開戦の理由 司馬遼太郎の指摘/希望的観測+空想の「終戦構想」/ロシアのウクライナ侵攻と「成功体験」/「国史」は「終戦構想」を無視/昭和天皇の戦争責任 etc.
【第3章】必然の敗戦
的中した山本五十六の予言/「天才」石原莞爾が敗戦を予言/補給戦でも惨敗/自らへの批判を許さない権力者の行き先/戦略上、致命的なミス/国辱的な対ソ交渉 etc.
【第4章】 「聖断」=「英断」?
「大元帥」が把握していなかった軍の実情/開戦2年目で勝利の見込みを失った天皇/「決められる政治」は正しいか/ロシアに裏切られる歴史/大事なのは国益より組織の秩序 etc.
【第5章】為政者は間違える 市民の責任
新聞の戦争責任/ロシアのウクライナ侵攻報道/政治家を選んだ国民にも責任がある?/戦争被害受忍論/為政者は常に後世に審判される/本当の「国民の責任」 etc.
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