特集:哲学のつくり方
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書店の哲学の棚には、哲学者の思想の解説書が並び、大学のカリキュラムにはおおむね哲学史が含まれている。しかし哲学とは先人の思想を理解して難しい概念をあやつれるようになることなのだろうか。このような問いに対して「哲学する」とは「知を愛する」(ソクラテス)こと、「自分で考える」(カント)ことだと言われてきた。ではそれは具体的にはどのようなことなのか。「哲学をつくる」というのは「哲学する」というあまり一般に浸透しているとは思われない専門用語を分かりやすく言いかえたものである。だが「哲学の本義に戻る」ように訴えるのは、そうした営みが絶えて久しいと嘆くためではない。むしろ「哲学をつくる」という現存している営みに光を当て、共有し、促進したいと考えたからである。「哲学をつくる」という営みが、現代の日本でどのような形になるのか、またそれをどのような方向へ育ててゆくべきなのか―このことについて今特集では考えたい。
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