在宅医療のニーズが高まるなか,薬剤師による薬学管理もチーム医療において求められています.しかし,在宅医療を始めることに不安や悩みをもっている薬剤師は少なくありません.本書は,患者宅への訪問から薬剤管理,患者サポート,看取りへの備えなど,在宅医療だからこそ起こるさまざまな課題に対し,どのように患者と向き合い解決できるのか,現場の薬剤師が経験してきた45の事例をまじえて解説しました.また,医療保険制度や介護保険制度、居宅療養管理指導の基礎知識についてもわかりやすく解説しています.「在宅デビューしたけど不安・・・」のお守りになる1冊です!
【目次】
Ⅰ いま、在宅に行ってできることを整理する
1 患者宅でのコミュニケーションのはじまり-患者宅訪問
2 薬を飲む・使う環境を整える-薬を飲めない・飲まない原因と対策
3 「飲み込む」を評価・支援する-嚥下障害への対応
4 家族と協力して服薬管理する-認知症患者のケアと服薬管理
5 薬学管理に役立つ患者情報を収集する-フィジカルアセスメントと薬の効果・副作用の評価
6 患者の「つらい状態」をサポートする
7 高齢者の栄養状態を評価する
8 看取りに備える-エンド・オブ・ライフケア
Ⅱ 本当は在宅に行く前に知っておきたい知識
1 地域包括ケアシステムにおける薬局・薬剤師の役割
2 医療保険制度と介護保険制度
3 特定保険医療材料
4 セルフメンタルケア-ストレスをマネジメントする
Ⅲ 付録:臨床検査値と病態
【事例】
・患者がなかなか心を開かない
・患者に家事の手伝いを頼まれてしまう
・他職種と情報を共有しづらい
・食事の回数と薬の服用回数が違う
・患者が「薬の味が苦手」と訴える
・薬の管理のため一包化を提案するが,患者が希望しない
・外用薬だけアドヒアランスが悪い
・経済的な理由で服薬を拒否する
・患者に治療への意欲がみられない
・嚥下困難な患者に何か食べさせたい
・利尿薬を追加しても浮腫が改善しない
・下剤を服用しているのに便秘が増悪した
・老老介護で患者の妻のストレスがたまっている
・在宅業務と通常業務が重なり,忙しすぎてイライラする
・在宅業務をしたくて転職したが,現場に慣れず自信をなくした など
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