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帝銀事件は、GHQ統治下の1948年1月26日夕方、帝国銀行椎名町支店で強盗・殺人を装った複数犯による組織的犯罪で、8歳の子どもを含む12名が毒殺された事件である。司法当局に犯人として逮捕された著名な日本画家・平沢貞通(57歳)は、事件とまったく無関係ではなかったが、真犯人から騙されて犯人に仕立てられ、確たる物証もないまま日本の裁判官によって死刑を宣告された。平沢貞通は、逮捕・投獄されて以降、自ら再審請求をやり遂げながら95歳まで40年間無実を叫び続けたが、1987年5月10日、獄中死した。
「やはり生け贄となって万民の不幸の因を除くのが、身内を救う道につながるのではございませんか……」平沢貞通(支援者に宛てた手紙より)
いったい真犯人は誰なのか? 何を目的に何を得ようとしたのか?
主犯は、GHQ(連合国軍総司令部)情報部で、共犯者は、日本の検察・裁判官と司法当局である。歪んだ司法制度と刑事警察の実相を抉り出し、複雑に錯綜した奇っ怪な事件の真相を解読して、公権力の果てしなき闇を抉り出す。
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