取り寄せ不可
彼なしでは生きていけない。でも、
彼と生きていけるか、わからない……。
同僚とレストランに入ったライザは、ふと鋭い視線を感じて身震いした。
顔を上げると、見覚えのある青い瞳に射貫かれた。
スティーヴ! 別れたはずの夫が、なぜこんなところに?
1年前、ライザはまったく身に覚えのない不貞を疑われ、
限界まで追いつめられた末に、耐えきれず家を飛びだしたのだった。
思わぬ再会から数日後、今度は取引先の社長としてライザの前に
スティーヴが現れ、去り際に謎めいた言葉を残していった。
「また僕のもとに戻ってくるんだ。貸したものは返してもらう」
ライザの心はかき乱された。彼なしの人生は虚しい。
でも、私を信じてくれない人と暮らすのは、もっと虚しい……。
男と女の愛憎入り乱れるドラマを巧みな筆致で情熱的に描く名匠、C・ラム。本作も、愛してほしいのに愛してもらえない、愛したいのに愛させてもらえない、夫と妻の複雑な心が表現されています。
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