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草原に額縁を立て、その中で演手たちが鮮やかな物語を繰り広げる――。
遊牧の民アゴールは、その伝統を「生き絵」と呼んで愛していた。物語を作り、演出を手掛ける「生き絵師」のマーラは、若くして部族長たちの前で生き絵を披露する役目に大抜擢される。だが、その矢先に突然の悲劇が。“動くもの”が、全ての人々に見えなくなってしまったのだ。そんな世界で、もはやマーラの「生き絵」は無力なのか。そして、遊牧が困難になったアゴールの民の運命は。
現実が想像力を凌駕しても、芸術は無力ではない――東山彰良
多くの読者が、きっと自分の「今」を見いだせる小説だ――辻村深月
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