鶴屋南北・直江重兵衛篇
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南北親子の文業
過去の全集未収録四作品を中心に、随筆や書翰、俳諧の摺り物などを加え、南北工房ともいうべき文政年間の劇壇を席巻した鶴屋南北と直江重兵衛親子の文業を俯瞰した最終巻。
文化年間の幸四郎、半四郎に加え、文政期には座頭として團十郎と菊五郎の二人が加わった。團十郎も菊五郎も、鶴屋南北が子役のときから育て上げた息子株であった。團十郎より十歳、菊五郎より三つ上の南北の倅直江重兵衛は竹馬の友で、座頭になった團十郎、菊五郎を支え、江戸歌舞伎界の中心人物となっていた。
南北直江親子は、門下に二代目松井幸三、勝井源八と二人の立作者、待乳正吉、四代目中村重助、松本幸次と次代の立作者を擁し、南北工房とも言うべきその勢力で文政年間の江戸劇壇を席捲するのである。
巻頭に収録される「御摂曽我閏正月(ごひいきそがうるうしょうがつ)」。船頭の鷲の長吉は、團十郎のために南北が新たに書き下ろした役で、関取との喧嘩の果てに心が解けると、仲直りをして兄弟の義を結ぶ、江戸っ子気質の若旦那の姿が描かれる。
南北の随筆が収録されるのも本巻ならではの試み。「吹よせ艸紙」は劇界ではなく、連続殺人など市井の噂を誌している。
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