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夏休みが明け、僕は受験勉強に勤しみながら後輩・冬莉と過ごす時間が増えていた。
朝は一緒に登校し、放課後はちゃんと勉強してるのかと差し入れを持ってくる。
そんな他愛ない日々の中、いつものように体育館でピアノ弾いていた冬莉は文化祭の合唱伴奏を頼まれ――
「夏梅センパイの思い出に残ってほしいので、文化祭に出ます」冬莉はそれを引き受けることに。
面倒見がよくて、僕が春瑠先輩と“陽炎の夏”に遭遇したときも支えてくれて。
からかい甲斐のあるかわいい後輩……なのに、僕の記憶から、彼女との思い出がだんだん霞み始めていた――。
“忘却の夏”が訪れ、もう一つの片想いが動き出す。
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