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一枚の絵が、世の中の仕組みを大きく覆す。
男は、どん詰まりの場所にいた。
二年半前の大学生だった娘の交通事故死。そこから精神の変調を来たし、二度の自殺未遂の隘路から抜け出せない妻。
あれを試すしかないのか‐‐。
かつて、高校受験に失敗した直後、失意のうちに目にした「道」というタイトルの一枚の絵。そして、そのあとに訪れた名状しがたい不思議な出来事。
40年ぶりにその絵を目にした男は、気が付けば、交通事故が愛娘に起こる直前の三軒茶屋の交差点にいた。
構想10年。満を持して放つ、アンストッパブル巨編。
【編集担当からのおすすめ情報】
もしも、あの時ああしていたら、自分の人生、どうなっていたんだろう。
誰しも思い当たる節があるそんな瞬間に本当に戻れたら、いったいどんなことになってしまうのか。
そのあとは、思い描いたように新たな時を刻んでいってくれるのだろうか。
ひとことでいえば、本作はタイムリープのジャンルに入るはずですが、
「もしも、あの時」というこの一点を突き詰められるだけ突き詰めて、ここまで細密に、リアルに、シミュレーションをなし得ているエンタメ小説を寡聞にして私は読んだことがありません。
そう、このフィクションは、大きな嘘をひとつ、ついているはずなのに、そこから始まる全風景に徹底した吟味考察が加えられているため、こんなことが本当に世の中で起きていてもなんら不思議ではないのではないか、と読み終わったあとでそんな感懐に囚われてしまうのです。
大きな鍵は、ニコラ・ド・スタールが描いた「道」というタイトルの一枚の絵。
この絵を、著者の白石一文さんがはじめて目にしてから実に十年。
それが、このような物語になるなんて、というような月並みな驚きを禁じ得ません。
小難しいことは一切出てこない。
でも、まだ気づかれていないこの世界の真理をひとつだけ明かしてしまっている。
そんな小説だと思います。ぜひ、ご一読いただけたら幸いです。
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