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第五代将軍・徳川綱吉が貞享二年(1685)に発した「生類憐みの令」から十年。巷に犬があふれ、ついに幕府は野良犬を収容する「御囲」を作った。中野村の「御囲」で数万頭の犬の世話をする娘・お吉は、「犬吉」と呼ばれていた。赤穂浪士が討入りを果たした朝、一人の侍・依田との出会いが彼女の運命を大きく揺さぶる。討入りの興奮冷めやらぬ狂気の一夜の事件と、人生を動かす恋を描く時代長編。
『犬吉』を改題。
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