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「鍼灸術の伝統を後世に残したい」。その一心でまとめあげた著者渾身の1冊!
50年以上の臨床経験を元に、『素問(そもん)』『霊枢(れいすう)』『難経(なんぎょう)』などの難解で読みにくい古典をやさしく解説。
核心をついた要点のみを論述。全編が珠玉の言葉で綴られた畢生の作。
【序文】【あとがき】より
本書は『素問』『霊枢』『難経』などの中から、50年以上の臨床追試に基づいて、現代の日本人の身体に適用できる内容をまとめたものである。
真の伝統とは、時代の流れに迎合するようなものではない。時代の流れの中でもその本質を見失う事なく、守り続ける事にある。そう有ってこそ鍼灸師の地位や立場を高める道であり、鍼灸医学を確立するための道でもある。
鍼灸医学は理論ばかりでなく「技」が必要である事は言うまでもない。技は臨床経験を積み重ねる事によって自然に身に付くものである。
理論だけでなく、技も同時に伝えてこそ真の「伝統医学」と言えるものではないかと思う。
古典の中には必ずしも論理的に充分ではないと思われる部分も含まれている。けれども、それは「技」を伝えようとする事が第一義であったためと考えられる証拠でもある。その点を本書では読者が理解し易くするために、すべて陰陽論で解釈できるような内容に整理したつもりである。
症状を追いかけるのではなく、常に生命体のバランスを整えて、回復力を強めてやるように心掛けておくべきである。一人でも多くの鍼灸師がそのような技を身に付けて、成功者となるように願ってやまない。
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