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「諸家文書」は「尊経閣古文書纂」のうち、武家文書を中心とした古文書群で、総点数は四四七点である。内訳は、一条文書=一七点、飯尾文書=五七点、蜷川文書=一二点、堀文書=一〇点、日置文書=五点、加藤文書=五一点、野上文書=一八点、駒井文書=二一点(以上、八群を「諸家文書」一として集成)、籠手田文書=八二点、天野文書=四五点、得田文書=二二点、得江文書=二九点、吉見文書=一二点、毛利文書=一〇点、当家文書(前田文書)=一七点、中原文書=三九点(以上、八群を「諸家文書」二として集成)。その内容は、武家政権が発給した御教書や奉行人奉書、戦国大名や織田・豊臣政権が発給した書状、さらには着到状や軍忠状などを多く含み、武家的色彩の強い古文書群となっている。諸家文書のうち飯尾文書は、室町幕府奉行人であった飯尾氏にまつわる古文書群で、飯尾氏の所領があった遠江国羽鳥荘・能登国土田荘・美濃国古呂々比村に関する永正期(一五一〇年頃)の古文書が含まれている。蜷川文書は、幕府政所執事を世襲した伊勢氏の家臣である蜷川氏が戦国時代初期に受給した古文書が大半を占める。また加藤文書は、豊臣秀吉の朝鮮出兵に関する朱印状が大部分を占め、朝鮮現地での上納物資を列挙した目録もあって貴重である。野上文書は、豊後国玖珠郡飯田郷野上村を名字の地とする野上氏、天野文書は、伊豆国田方郡天野を名字の地とする天野氏にそれぞれ伝わった古文書群の一部であるが、両家ともに名字の地を離れて能登国に移住し、加賀藩五代前田綱紀の時代に古文書を献上して原本を現在に伝えた。また籠手田文書は、肥前国松浦氏の家臣であった籠手田氏に伝来した古文書で、ほとんどが大永期~天文初期(一五二〇~三〇年代)の籠手田定経宛の武家儀礼に関する書状であり、『史料纂集古文書編 籠手田文書』(八木書店)に翻刻されている。
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