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「公共的儀式は、共通知識を生み出す社会的行為だと理解できる。たとえば公共的な式典は、社会的統合と既存の権威体系を維持するのに役立つ。公共的な決起集会やデモも、政治的・社会的変革にとってきわめて重要である。社会的統合も政治的変革も、共に協調問題として理解することができる。現在の権威やシステムであれ反体制のそれであれ、他の人々が支持すればするほど、私もそれらを支持しがちである。公共的儀式、決起集会や式典は、こういう不可欠の共通知識を作り出す。公共的儀式は、単に情報の中心から個別の聴衆へのメッセージの伝達ではない。それは同時に、聴衆に他の聴衆が何を知っているかを知らせるのである」
(「まえがき」より)
他の人々の知識についての知識が、集団の行動に参加したいと思う要因となる。その仕組みについて、国王の行進、円形構造の市議会会議場、映画『波止場』のシーン、スーパーボウルで流される広告ほかの、文化・社会現象を、ゲーム理論の「協調問題」と「共通知識」を応用して解き明かす。共通知識が安易に生成される、昨今のSNS時代にも通ずる課題の本質とは? 2001年に先取りで考察していた本書を、新たに「序文」「あとがき」を加えて刊行する。
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