天体や海洋への鋭敏な感性、孤島の生活、琉球神道とマレビト、古代神話と月、入墨の文化――。戦前、柳田国男を中心に高まった沖縄文化研究の熱情は、多彩な才能と関心をとりこみ、広がりをみせていく。沖縄文化をどこに見出すのか。そして沖縄戦の荒廃を乗り越え、文化的アイデンティティをいかに再興するか。時の流れにより失われたもの、なお変わることのないものを見つめる珠玉の15編を、詳細な注釈・解説とともに読み解く。
「このたびの戦乱によって、中断せられた色々の学問の中でも、取り分け再興のむつかしい一つは、南の島々の文化史の研究である」 ── 柳田国男(本文より)
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