動物になる日

動物になる日

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出版社
ミシマ社
著者名
前田エマ , 大杉祥子
価格
2,420円(本体2,200円+税)
発行年月
2022年6月
判型
四六判
ISBN
9784909394682

死んだ人の形見を貰えるとしたら匂いがほしい。



モデル、エッセイ、ラジオパーソナリティなど、

多彩な活動が注目を集める著者による、

はじめての書き下ろし小説集。



少女の感性をみずみずしく描き、あらゆる境界をゆさぶる表題作「動物になる日」と初小説作品「うどん」を収録。素朴な疑問を手放さず、現代の生を潔く鮮やかに問う意欲作。



●あらすじ

動物になる日

小学校四年生の「私」は、ピアノ教室でひとりの少女に出会う。文通を重ねて知る、女子校の存在、少女漫画のキュン、動物たちの交尾。「好きな人はいますか?」少女の問いかけに「私」が想像するのは、死んだネコを回収したゴミ収集車の男だった――少女がやがて体毛を剃り、香水の匂いを纏ってゆく一方、「私」は父親の匂いを嗅ぎ、命の違いを実感してゆく。



うどん

「私はお客さんの好きな食べ物を知っている。嫌いな食べ物も知っている。しかし名前は知らない」――「うどん屋」には、老人も、ろう者も、やがて同僚になる女性も、小学生も、家族を亡くした人も、訪れる。毎日のように顔を合わせていても、突然来なくなることがある。淡々と進む飲食店での日々に、きぬ子が見つけた、食べる場所と働き方のかたち。

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