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山崎純治の第六詩集
詩
木管サラダ
ザクザクちぎったレタス大盛り
粗塩とオリーブオイルを振り
レモンを絞って
ハムとチーズを添えると
食卓が目を覚ます
第三楽章アダージォ
オーボエの主旋律が流れ
十三管楽器のセレナード
湧いてくる音楽を楽譜に写しただけ
素早く五線を走る手の
伸ばした指先から広がる
八月の朝
広がる白紙の向こうから
細い影が近づいてくる
まだ書かれていない海峡や路地の
明るい空白から
どうやってたどり着いたのか
食卓に席を用意して
何も聞く必要はない
覚束ない足取りで
昔の顔を取り戻そうとはにかむ
影に呼びかける
さあ、食べよう
サラダは静かになり
水滴が光るガラスの器
木管たちは新たに息を吹き込まれ
ようやく帰ってきた
あなたを待っている
モーツァルト 十三管楽器のためのセレナード
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