取り寄せ不可
2019年、死刑囚表現展が開催され、その中に響野湾子(死刑囚・庄子幸一さん)の俳句、〈千年の鯨の泪櫻貝〉に殿岡駿星は感動した。主催者から全ての俳句、1597句を取り寄せ、そのうち813句を選んで句集を編纂した。死刑囚表現展は2005年から開催され、響野湾子の俳句は2006年から出展されていた。響野湾子は2001年に殺人事件で逮捕。処刑されるまでの18年間に多くの本を読み、俳句の勉強をした。俳句は特に季語や575のリズムにこだわらない句も作り、たった11音で季語がない〈戦争は石の礫〉という句がある。他には、〈枝先の無きを確かめ蟻もどる〉、〈ゆくあての無き鬼もゐて鬼は外〉、〈甚平で彼は消えたり処刑の夜〉、〈虹一本飲んで果てたしああ暗い〉、〈一椀に命の果ての湯気の立つ〉、〈呼ぶ人のない道を振り返る〉、〈おはようと言える人ゐて暖かし〉、〈朝顔の藍よりとけて朝が来る〉、などの句がある。
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