フローレンス・ナイチンゲールといえば「戦場で瀕死の兵士を看病した看護師」であり、「白衣の天使」「ランプを持ったレディ」という定番イメージがあります。しかし伝記に描かれたナイチンゲール像は時代とともに変化してきました。かつては「聖母」「女らしい優しさ」「献身」「博愛」など、社会規範・ジェンダー規範のお手本とされてきた彼女は、やがて「自立した女性」「行動家」「信念の人」へと、そして目的のためには手段をいとわない「戦う烈女」へと変貌を遂げたのです。
本書では古今東西の大人向け・子ども向け伝記、サブカルチャーなどを通して、ナイチンゲールの虚像と実像について考察します。
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