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カナダ生まれの日系詩人サリー・イトウ(移民三世)の自伝エッセイ『天皇の孤児』の第一章の翻訳である。まず、本書はカナダで生まれた日系詩人による、あくなき自己のアイデンテイティ探求、ふるさと探求の記録として読める。次いで、本書の示すものは、日系カナダ移民三世の目と記憶からあるがままに記された自伝的な語りと読める。サリーは日本文学の伝統的なジャンルのひとつとしてある日記と語りの伝統を本エッセイに取り入れた。本書全体が日記文学という日本文学の伝統を英語に転換されていると共に、詩人の父や祖父の遺した日記や親しかった叔母の語りが縦横に入り組みながら、サリーの文章の中で再生する。彼らはサリーの文章の綴りの中で蘇り、雄弁に自分たちの歴史と生活を語り始める。かつての第二次世界大戦をはさんだその語りは、父母、祖父母、叔父や叔母の日系移民の一家族の肖像、歴史的な苦難と生活の喜怒哀楽、家族の結束をあるがままに物語る。それは今、日加の国際交流として、未来へ向けた新たな世代から発信された世界平和への祈願ともなるだろう。
サリーは金子みすゞの詩の英語訳者でもあり、”Are You An Echo?”(「こだまでしょうか?」)を刊行している。本書にも金子みすゞのサリーによる英語訳を二篇入れた。「私のお里」と「ご本」である。
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