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《産業の進歩など大衆にとって能書きにすぎないということに、だれもが気づいている。〔……〕なぜなら、そこでは産業が、数人の寵児を富裕にさせるために、勤労大衆すべてを貧窮に陥れているからである。》
初期資本主義の病巣を分析し、理想社会ファランジュの構築プランを描き出したフーリエの古典的名著。初版完訳版、ついに刊行!
フーリエ生誕250周年。
《文明人は最近もまた新たに災禍に打ちひしがれているときに、完成可能性への飛翔を遂げていると認めさせられている。〔……〕わけても増加の一途をたどる公債という厄災が最たるものであり、ひとたび西洋人のあいだに戦争が起これば、そのせいで革命〔が頻発し〕、とうとう普遍的倒産に到ることになりかねない。
他にもいろいろの気づかれざる禍根がある。商業の侵蝕が適例である。商業がすべてに跳梁するおそれがあり、ついに諸政府はそれにびくつきはじめている。ソシエテール理論だけがこの政治の巨人(タイタン)を打ち負かす手立てを教授できる。〔……〕
私はここでいくつかの悪辣な職種、商業その他の化けの皮を〓がざるをえないが、それにつけいっている人々をなじっているわけではない。間違っているのは、諸国民にぺてんの実践以外に財産の方途を切り開かず、悪徳へと押しやっている文明世界の政策だからである。》――本書「序文」より
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