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「鯨のように巨大な鳥がいないのは、なぜだろう?」「”ジャックと豆の木”のような天高く伸びる木が無いのは、なぜだろう?」
直感的に「身体が大きすぎれば羽搏いて空は飛べないだろうし、樹木が折れることなく何百~何千メートルも伸びるはずがない」ということは当然のこととして想像できるが、しかしその証明となると容易なことではないだろう。
本書では、重さや速さ、強度などといった、あらゆる物事にまつわる「量」や「単位」の関係性に着目し、適切なモデル化を行なうことで、難解な方程式などを経ることなく自然現象の不思議を解き明かすことが出来る「次元解析」について詳しく解説を行う。
全体は3部構成になっている。導入となる第0章で次元(ディメンジョン)や次元解析の考え方についてまとめる。
第I部では「量・単位・次元とは何か」をあらためて考えたのち、自動車の制動を例として、数学や物理学で用いる種々の方程式による解析と次元解析との比較を行い、次元解析の有用性について考察する。
第II部では、振り子運動、物体の粘性、錐体の落下運動、動植物の大きさの法則といった多数の身近な話題を例にとり、次元解析を駆使して様々な自然現象の検証を行なっていく。
「解析」と名が付くものの、次元解析で必要となる前提知識としては指数関数の四則演算程度で事足りる。
それでも解析結果から得られる情報量は非常に多いため、大変興味深い分野ではあるのだが、次元解析に特化した成書は海外含めほとんどない。
本書では、読者の自然現象・社会現象に対する理解を深め、新たな考える視点を与えるべく楽しく解説している。
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