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神社の境内などで見かける「遥拝所」と刻まれた石碑は、今日の我々の生活のなかではほとんどその意味を失っている。しかしながら、その石碑が建立された背景を探るなかで、この遥拝所碑は一九四五年までの日本人の生活と精神を大きく規制した「遥拝」の歴史を今も我々に伝えるものであることが明らかになっていく。
本書は、遥拝所および遥拝儀礼の歴史をたどる中で、近代における民衆の生活文化と天皇制がどのような関係性を持つに至ったのかを具体的に明らかにすることを試みる。
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