海の琥珀

海の琥珀

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出版社
短歌研究社
著者名
岡部史
価格
1,650円(本体1,500円+税)
発行年月
2022年1月
判型
四六判
ISBN
9784862726926

──きらきらと目にたちのぼる琥珀の香 虚空に問はむひとのことばは──




「北の海が荒れると地層が抉られて、一部が海岸に流れ着き、

その中から琥珀がみつかる。琥珀は比重が軽いので、潮の流れに乗ってバルト海を流され、

時にイギリスの海岸沿いで見つかることもあるという。そんな小さな、奇跡の石に対する憧れと

畏敬の念を籠めて、歌集題を『海の琥珀』とした。」(あとがきより)






《歌集より》



麦の伝播たどる頁にやはらかくみづほの国の秋の日は射す



Greenを緑さと訳し そののちの言葉かすかに紗を纏ひ初む



豆餅を食めるひととき口腔にほのほのと小さき観世音立つ



帽子掛けに帽子ひとつを掛けたればながく寂しき夕暮は来ぬ



凍てつく夜プロシアの沖に流れ着き琥珀はうすく潮の息吐く

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