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多元的に活躍した草森紳一についての評論を集めた一冊。
その晩年近く、『随筆 本が崩れる』などによって、草森紳一は〝稀代の蔵書家〟として、再び名をはせる。2008年3月に70歳で亡くなるが、門前仲町の2DKのマンションに三万冊とか推定される蔵書があったという。元来は中国文学者(〝鬼才〟李賀の研究)であるが、マンガや写真、デザインや広告の批評などを始めとして、ジャンルにとらわれない、意志的な〈雑文〉のスタイルを確立し、植草甚一と並び称される存在となった。横尾忠則・装幀の巨大本『江戸のデザイン』で毎日出版文化賞受賞。その死後も、新刊書が十冊以上刊行されるも、原稿用紙三千枚を超えるという〈副島種臣論〉は雑誌連載のまま、未だ出版に至っていない。北海道十勝の音更町では、現在も〈草森紳一蔵書プロジェクト〉の方々の活動が続けられている。
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