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デジタル化の波の中で古くなった社会制度やそれを支える哲学をデジタル時代に適したものに根本から見直した方がいいのではないか? 20世紀に大成功した近代工業モデルを修正しながらデジタル経済に合わせてきたが、いよいよ矛盾が大きくなりすぎているのではないか? 過去の成功体験にこだわっていると単に落伍してしまうだけでなく、格差の拡大や監視社会の暴走などの形で不幸な未来につながってしまうのではないか? 明治維新の時に、単に蒸気船や電信を受け入れるだけでなく、政治体制から法律、芸術や言語にいたるまで造り直したように、今回も仕組みを全面的に再構築しないといけないのではないか? それは結局のところ、新しい文明を構築するということではないか?
近代工業が生み出した、「大量生産品の排他的所有権を匿名の大衆に市場で販売(金銭と交換)する」モデルから「モノやサービスから得られる便益へのアクセス(利用)権を登録された継続ユーザーのニーズに合わせて付与する」モデルへの移行させる原動力となっている。本書ではそのようなモデルの普及の結果として、個人(法人含む)の交換をベースとした市場経済に替わって、個人が社会に貢献し社会から受け取る、「持ち寄り経済圏」が台頭し 、その経済メカニズムに適合したガバナンスメカニズムの構築が重要になることを論じる。
新しい潮流は昨日、今日に始まったものではない。しかしこれまでは、惰性で、むしろ情報の側に近代工業文明の論理を当てはめて制度設計をしてきた。しかし、旧来の制度(統治形態)の延長では、プラットフォームやビッグデータや人工知能(AI)が圧倒的な価値を生み出す社会を適切に発展させられない。何より格差社会の矛盾が溜まりに溜まって爆発寸前で、2020年1月6日の米議会占拠事件を見ても、構造問題を解決しないと現実問題として暴力革命が起こりかねない。新しい社会の統治原則が求められている。
本書は、新しい文明における経済活動の統治の在り方を提示。AI活用などにおける中国の躍進から、中国式の方が近代西洋哲学に依拠するものよりも良く機能するのではないか?という問いかけにも応える。儒教、仏教、アニミズムなどの東洋的な世界観をサイバー文明にどのように反映させていくか、西洋文明と中国文明の衝突をいかに回避するか、といった問いにも答える文明論となる。
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