無とは何か

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出版社
ニュートンプレス
価格
1,980円(本体1,800円+税)
発行年月
2022年5月
判型
A4変
ISBN
9784315525540

古来,「存在する」とはどういうことなのかを,人類はさまざまな観点から思考してきました。一方でそれは,「存在しない」,つまり「無」とは何かという探求でもあったのです。
 「無」と聞くと,数字のゼロや,「からっぽの空間」としての真空を想像するかもしれません。もしかしたら,空間すらも存在しないような「究極の無」を思いえがく人もいるでしょう。
 私たちがふだん意識せずに使っている「ゼロ」という概念ですが,その発見から成立までには長い歴史がありました。また,現代物理学によると,真空はただの「からっぽの空間」などではありません。空間から物質をすべて取り除いても,そこには現在の宇宙の性質を決めるさまざまなエネルギーや「場」が満ちているというのです。また真空(空間)はたんなる「入れ物」ではなく,それ自体が波打ったりゆがんだりする,「物理的な実体」だといいます。
 さらに,現代物理学は,空間や時間さえ存在しない「究極の無」にもせまろうとしています。最先端の物理学理論をもとに,「宇宙は時間も空間もない『無』からはじまった」,「無限の過去から宇宙は存在し,『究極の無』はなかった」など,宇宙のはじまりという観点から,この究極の問題についてさまざまな仮説が提唱されています。「そもそも空間は,より根源的な“何か”からできた幻かもしれない」というおどろくべき仮説も登場しています。
 本書は2020年1月に刊行された『無とは何か』を改訂したものです。物理学の成果とともに、哲学者たちの問いにも触れることで、人類の「無」への関心のあり方をより広く紹介しています。無の探究の歴史は,物理学の発展の歴史そのものでもあるのです。私たちの住む「有」の世界を鮮明にえがきだす「無」。そのおどろくべき正体に,じっくりとせまっていきましょう。

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