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1911年の清朝崩壊からの約半世紀、中国大陸は中心のない空白時期で政治・経済・文化ともに無秩序の混乱が続いた。
そうした中でも、美術家や団体は、海外や美術界の「外」との交流や接触により、新しい藝術思潮や動向に強い関心を寄せて美術活動を展開した。そこには多様で豊かな美術・文化が息づいていた。
とりわけ辺境的な位置にあった日本との交流は、近代中国美術史の展開に多大な影響を与えている。
中国の画家は日本の美術界とどのように関わり、独自の作品世界を形成していったのか。
中国美術史の記述は日本からどのような影響を受けたのか。また、美術品はどこでどのように収蔵されてきたのか。
美術作品をめぐる人的ネットワーク、海を越えて伝えられたコレクションの変遷にも着目し、多角的な視点から近代中国美術の実像に迫る。
アジア遊学146号『民国期美術へのまなざし』、アジア遊学168号『近代中国美術の胎動』に続き、この混沌たる「辺界」の美術、周縁で躍動する藝術家たちのすがたを輝く遺産として更に発掘する。
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