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もしもふるまいや言葉において、生と規則が区別できないとしたら。そして物の使用が所有と無関係で、法の外にある生活が可能だとしたら、どうだろう。
神的なものと人間的なものが織りなす修道院の規則は、教義や掟ではなく、生の次元に位置する体験であった。それは西洋の政治と倫理に影響を与えつづけてきたが、現代はその遺産を考察さえできないでいる。
砂漠の聖者アントニオス。東西教会の代表的教父・バシレイオスとアウグスティヌス。アッシジのフランチェスコと後継の理論家たち。神秘家オリヴィ。イエスの〈貧しさ〉に従う修道者たちは、異端の疑いと背中合わせの中で、清貧の思想を鍛えぬいてきた。
とりわけフランシスコ会の兄弟たちは、所有権を拒否するだけでなく、「いかなる権利ももたない権利」を掲げて、法の外で生きようとした。アガンベンは彼らの言論に、大量消費社会を超える可能性を見る。
生きることがたんなる事実ではなく、生の可能性であるような生。国家という形態をとらない政治の可能性を考えるべく、アガンベンがかねて予告していた〈生のかたち〉、すなわち分離できないほど形式と固く結びつき、「生政治」に回収されない生を構築する探求が、ここに手がけられた。「ホモ・サケル」シリーズの一冊。
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