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本書の目的は,イギリス中世の森と人間のかかわりを歴史的にさぐることである。その歴史をふりかえりながら,森と人間のかかわりをアウトロー物語と忠実の両面から考えてみることにある。
さて,中世イギリスの森のアウロトーといえば,シャーウッドの森に愉快な仲間と暮らすロビン・フッドを思い浮かべる読者は多いのではないだろうか。「金持ちから金銭を奪い取り,貧しい者に与える」というロビン・フッドのイメージは後世につくりあげられたもので,本来のものではない。
そう,この物語をひもときながら,変幻自在のロビン・フッドの多様な姿をさぐってみたい。
それにしても,森と人間のかかわりは多様であり,時代の経過とともにさまざまな変貌を遂げてきた。本書では,そのごく一部にすぎないが,いくつかのルートをたどって歴史の中の森を散策することにしよう。
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