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戦争とファシズムを生き抜いたイタリアで生まれた、新しいリアリズムの潮流、ネオレアリズモ。
デ・シーカ(『自転車泥棒』『ウンベルト・D』)、ロッセリーニ(『無防備都市』『戦火のかなた』)など名だたる監督たちによる作品群として知られるが、その中心にいたのは、デ・シーカの共作者であり、数々の作品を世に送り出した脚本家・製作者チェーザレ・ザヴァッティーニである。
素人役者の起用、子供を主役に据えること、野外ロケーションなどの偶然に開かれた撮影手法によって、市井の人々の、生きられる現実をつづるネオレアリズモは、同時代のフランスの映画批評家バザンにより「俳優も、物語も、演出も存在しない、現実そのものという美学的幻想の内にある映画」と称賛され、ドゥルーズにより「純粋な光学的状況」と評された。それは映画の究極の夢であるとしても、ネオレアリズモは「純粋映画」の神話にとどまるものではない。
ネオレアリズモを映画理論の枠組みから解き放ったとき、イタリアの土地の方言としてのネオレアリズモが立ち現れてくる。本書は、長年にわたりイタリアに魅入られ、探究してきた西洋美術史家による、ネオレアリズモ再訪への招待状である。
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