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私は生後6ヶ月で、父が日本大使館に転勤したのにともなってロンドンへ渡り、4歳になる前に帰国した。帰国児として育ったためか、いまでも当時の子供心を失っていない。
イギリスの記憶は断片的なものしかないが、近所の公園で砂場遊びに熱中したのが、心に焼きついている。帰国してから両親に連れられて湘南の海岸で遊んだが、砂の城づくりにはしゃいだのが思い出となっている。
そんなことから、人生を砂場として見るようになったのかもしれない。どこかでまわりに合わせるより、不遜なことだがまわりを自分に合わせたいと願って、綱渡りをしてきた。
私の半生を振り返ると、「自發自奮」という言葉が当て嵌(は)まろう。
この箴言(しんげん)(いましめとなる短句)は、福島の名門武家である白岩家の家訓であり、自分からあらゆることを発し、自ら奮闘しなければならないという教えである。白岩家の当主である建設業の白岩正通・白岩工業株式会社の会長から、この四文字の扁額を贈られて、私の事務所を飾っている。この額を見ると、血潮がたぎる。
と「あとがき」に著者は記している。
内容は、これほど内政、外交に活躍している人はいるのかと思うことばかりである。
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