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こどもの「こころと脳」を科学する
発達のつまずきか? 育ちの個性か?
山口和彦(脳神経科学者)
はじめに
「脳科学」の知識が子育てに役立つように 15
1章 子育てと「脳科学」
「脳科学」を、どうとらえる?
赤ちゃんを「かわいい」と思う理由/「母性行動」と脳の関係/「こころ」はどこにある?/「こころ」が心臓にあると思われていたころ/「こころ」は脳に由来する/動物にも「ここ」はある?/「こころ」と物質の関係/「こころの病」を治療するということ/「もの」としてあつかわれる「脳」や「こころ」/「こころの病」の診断は、いまでも道なかば/お母さんが「脳科学」に惑わされてしまうのは
コラム フロイト派の理論が科学でない理由
「脳」は、どうなっているの?
実際の「脳」を見てみよう/脳のしわが多いと賢い?/脳のなかにある「海馬」/「神経細胞」が集まった「神経組織」/神経細胞同士のあいだをつなぐもの/脳の状態からわかること、わからないこと/こどもの脳になにかあるのではないかと思うとき
2章 脳の「発達」と「発達障害」
こどもの脳の「発達」
「能力」はどう決まる?/受精卵から脳がかたちづくられるまで/神経細胞の枝ぶりが広がるとき/生きる環境に必要なものだけを残す「刈り込み」/神経回路の配線は遺伝子によって決まる/視覚に関する神経回路が形成されるとき/「臨界期」=変化できる時期は限られている/人間の視覚の臨界期―斜視のこどもの例/神経細胞の枝ぶりは環境で差が出る?/脳に影響をおよぼす虐待
「早期教育」は有効なの?
臨界期のあるもの―楽器演奏と母国語/臨界期のないもの―空間記憶/一方的なプログラムをあたえられるストレス/「考える力」はどう育つ?/三歳までの教育は、10歳には消える?
「自閉スペクトラム症」の子をどう育てる?
「自閉症」の特徴―「アスペルガー型」と「カナー型」/「お母さんのせい」から「脳の問題」となるまで/父親の年齢が高いと起こること/シナプスの「刈り込み」が弱い場合、「刈り込み」すぎている場合/「自閉スペクトラム症」の子が苦手なこと/その子にあったコミュニケーションの方法を考える
3章 「性格」はどう決まる?
「性格」をかたちづくるもの
「生物学的な要因」と「環境的な要因」/性格が親に似るのは「遺伝」のせい?/遺伝子と性格の関係―神経回路の発達と「こころの働き」/性格や情動に関係する「神経修飾物質」/「こわがる」「おもしろがる」神経回路の混線から生じる
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