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「グローバリズム」から「デカップリズム」へ世界は変わる。日本はどうなるのか――
ロシアによる「ウクライナ侵攻」は停戦や終戦によって終わる問題ではない。
「鉄のカーテン」の遮断で「東西冷戦」が復活したからだ。
本書が扱ったのはウクライナをきっかけにした「終わらない問題」だ。
資源貧国「日本」の経済の行方は、日本人の生活はどうなるかが中心になる。
問題が持続する好例が「国連安全保障体制」の崩壊だ。
安全保障理事会の常任国であるロシアが侵略行為によって「力での現状変更」を行ったばかりか、侵略行為を行ったのだ。
国連による安全保障機構は、まったく意味を持たなくなったということになる。
さらに決定的な終焉を迎えたのが「グローバリズム」だ。
本来であれば中国がグローバリズム崩壊の主役だったはずだが、中国の盟友・ロシアの蛮行によって誰でもわかる形で可視化し、時計の針を一気に推し進めることになったのである。
久しく死語になっていた「西側」という言葉が、メディア内で普通に使われ始めたのは、その取りあえずの根拠といえるだろう。
「グローバリズムの終焉」を、ウクライナ侵攻を整理することでロジカルに説明する。
ロシアとG7、EUは地政学・地経学的にデカップリング(分断)。ロシアは国際経済から排除されることになった。資源・エネルギーや食料の輸出大国であるロシアとの分断は、資源・エネルギーを持たず、食糧自給率の低い国に深刻な経済ダメージを与えることになった。
その典型例が日本だ。
すでに鮭やウニは高騰し、小麦粉の価格も上昇傾向にある。だが問題はそうした個別の食材価格の上昇ではない。皆さんの生活が脅かされようとしているからだ。
ウクライナ戦争は軍事面という狭い局面で「戦勝国・敗戦国」を分割しない。戦中、戦後に経済を潤わせることができる「戦勝国」になれるのか、疲弊する「敗戦国」になるのかどうかをスクリーニングしているのだ。
乗り遅れれば日本に待つのは亡国の道だけだ。
そうならないために何を考え、実行しなければならないのか――それが本書のテーマである。
第1章 貧しい国が豊かになって戦争が起きた
第2章 最終兵器は「ドル」と「SWIFT」
第3章 冷戦復活「鉄のカーテン」が降りた
第4章 高市早苗政調会長が明らかにした「日本の課題」
第5章 資源貧国「日本」 どうすれば生き残れるのか
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