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▼空海が命を賭した書――。
官僚を目指していた空海が大学を辞め、二十四歳で著した『三教指帰』は、
儒教、道教、仏教を戯曲形式で比較し、仏教が最上であることを親族に説得する
「出家宣言の書」とこれまで理解されてきた。
本書は、激動の時代背景や神話・伝承、『日本書紀』などの歴史書と照らし合わせ、
『三教指帰』執筆の隠された意図に迫る。
稀代の専制君主・桓武天皇に対する憤りと
古来、天皇に仕えてきた祖先への誇り―。
両者に引き裂かれた若き空海が、命を賭して伝えようとしたのは何か?
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