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なぜ、目先の利益に私たちは振り回されるのか
今、マネジメントのさまざまな側面で起きている大転換は、短期思考から長期思考への転換である。短期で得られる果実を最大化しようとしても、上滑りして持続は難しい。遠いところに視座を置いて、長期で得られる果実の最大化を狙うのだ。
長期視点の経営には、いくつかの共通点がある。
・長期目線の経営は、結果が出るまでは非常識と見られることが多い。
・長期目線の経営は、短期の利益を後回しにするが、短期の利益も追求する。
・長期目線の経営は、短期の利益に振り回されない分、地域や社員の幸福度を高めやすい。
・長期目線の経営は、それを実践する経営者の信念が強い。
・長期目線の経営は、それを継続するための仕組みを構築している。
「長期目線で経営をしている」と経営者がインタビューで答えているにもかかわらず、その会社が短期目線に陥り、経営破綻に至る事例は少なくない。精神論で長期目線を、というのは誰でも言える。「継続するための仕組み」として組み込むことがロングターム・マネジメントである。本書では、短期目線と長期目線の経営の違いを対比させつつ、何を転換すれば長期思考を持続できるかを整理する。
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