環境と社会

環境と社会

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出版社
コロナ社
著者名
井田民男 , 川村淳浩 , 杉浦公彦
価格
2,860円(本体2,600円+税)
発行年月
2022年4月
判型
A5
ISBN
9784339066609

科学の必要性を先人の言葉から考えると、1945年寺田寅彦は、「科学者と芸術家の生命とする所は創作である。……科学者の研究の目的物は,自然現象であって,その中に何らかの未知の事象を発見し,未知の見解を見出そうとするのである。」と書き残している。私たちは何を知っていて、何を知らないのか?何を学習したら良いのか?を常に問い続ける必要がある。それは、自然があまりにも複雑で多様性があり、神秘だから、知りたいと願う気持ちが生まれるのである。
 国際情勢による環境とエネルギーを取り巻く課題は極めて多様化しつつある。特に、国家レベルでの迅速な対応、技術開発が切望されており、再生可能エネルギー導入は避けては通れない時代を切り開くロードである。回顧すると、これまでの技術革新も人類が幸せになるためにと先人達が信じて少しずつ積み上げながら創り上げてきた現代社会であるが、振り返ってみると決して、幸せに、平和には繋がっていないこともあり、人類を脅かす事象も創り上げてきたことを忘れてはならない。未来における持続可能な再生可能エネルギー技術開発も公共性を重んじながら導入していくことの意義を本書を通して学習してもらいたい。
 このための到達目標がSDGsである。加えて言うならば、「誰も取り残さず、自然と共生していくために」何を学ぶかを真に考えることである。本書はその解に辿り着くために役立つと信じる視点から多面的に書き記している。
 最初に、エネルギーと社会のゆくえでは、科学者および技術者にとって、環境を整える「保全」という考え方について、倫理を尊ぶうえで必須であることを述べている。この考え方は、使用・作業する人間だけではなく、自然環境を汚染・破壊から保護するために自然との共生において、地球上のすべての健全化を進めることに他ならない。
 生体に影響を及ぼしている環境問題と社会では、私たちの生活を便利で豊かにする目的で開発された化学物質が、残留性、食物連鎖、そして生物濃縮という脅威となって、大気や海洋を巡って地球に暮らす全ての生命体に襲い掛かっている現実を紹介している。また、放射線については、どのように共存するかという視点からも学習できるように組み立てられている。
 また、危機的な世界情勢の中で持続可能な社会を支えるエネルギー備蓄についても学習する。石油資源は、社会の成長を支え、発展の基盤となっているが、その重要性が認識されたのは、1970年代のオイルショックにあり、エネルギー備蓄がまだ始まったばかりであることを忘れてならない。
 さらに、人類の食を支える農業は、地球上の生物の一員である人類が生存を続けていくために必須の活動であるが、環境破壊を最小限に抑えながら社会を維持する視点が欠かせない。そのためには、生物の生命を維持するためのしくみに加えて、気候や気象という地球の地理的・周期的なしくみをよく理解し、どのような取り組みが持続可能と言えるかを深く考え、世界が抱える課題、社会が抱える課題を学習し、理解し、解決するための能力を養うための素養が学習できる。

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